つのおブログ

2016.06.06更新

ヒト全ゲノムからタンパク質に翻訳されるのは、わずか2%にすぎず
残りの広大な領域はタンパク質の塩基配列を持たない非コード領域であることが
分かっています。この非コード領域からもRNAが転写されることもわかってきました。
このマイクロRNA(miRNA)は、20~25塩基対の短いもので、
細胞内において翻訳調節やクロマチン制御をになう機能性RNAであることもわかってきました。
miRNAは、標的メッセンジャーRNA(mRNA)に結合し、タンパク質への翻訳を阻害して
遺伝子発現を負に制御することが明らかになりました。
1つのmiRNAは、配列依存的に数百種類のmRNAを制御できるので、発生分化、形態形成、細胞死、
代謝などさまざまな生命活動を遺伝子発現のレベルで調節できます。

◆うつ病に関連する脳由来神経栄養因子BDNFをコードするBDNFmRNA(メッセンジャー)は、MiR-3oaなど複数のmiRNA(マイクロ)の制御を受けること
◆セロトニントランスポーターSERTmRNAはmiR-16の制御を受け、SSRIの効果発現が影響されること
◆miR-135は、セロトニントランスポーター遺伝子とセロトニン受容体遺伝子を標的とし慢性ストレス時のストレス抵抗性を調整すること

などが明らかにされています。

miRNAも、自分自身がコードされている遺伝子がDNAメチル化の制御を受け、転写レベルの調節を受けています。

この様に、基本的なゲノミクスのレベルから、エピジェネティックス、さらに転写後調節、
プロテオミクス(蛋白リン酸化などで、ここでは述べていません)を経て、ようやく最終的な形質発現に至るわけです。

あと十年後には、RNA・エピジェネティックスを利用したより本質的な精神疾患治療が実現していると予想されます。

投稿者: つのおクリニック

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